男子と会話はできません
あ……やっぱ可愛い。
近くで見ると余計可愛くて、顎下に頭が来るから思ったより身長は小さかった。
もう少し身長が高く見えたのは、バランスがいいのかな。
顔が見えたのは一瞬で俯いたままボールを渡そうとする。
「うるるー!」と、声がして、ウレイちゃんが振り返った。
えっ?うるる?
ウレイじゃなくて?
さすがにその発想はなかった。
その瞬間、自分がずっと名前を間違って呼んでいたことに気がついて、つい吹き出してしまった。
そしたら、ウレイちゃん……もというるるちゃんが、
少し泣きそうな顔になったかと思うと、「バカ!」と、ボールを投げつけて走り去ってしまった。