男子と会話はできません

なんでだ?


と、立ち尽くしてしまう。


もしかして、名前聞いて笑ったと思われたのか?


そう思ったのは、俺も名前が珍しいとか読めないとか言われてめんどくせーなって思ったことがあるからだ。


それが当たっているのか当たっていないのか、わかんないけど。


これだけは、わかる。


俺が怒らせたんだ。







翌日、変な誤解で彼女を怒らせたことが気になって、俺は謝りに行くことにした。


「市ノ瀬、牛乳持ってどこ行くんだよ?」


「ん?謝罪」


「謝罪?」


「やっぱりパンには牛乳だろ」


羽麗ちゃんがよくお昼にサンドイッチを食べてるところを見かけたから、昼飯に一緒にどうぞという意味で自販機で買った。


教室の前、なんとなく中に入りづらいし、羽麗ちゃんと同じクラスの隼人の姿も見当たらないから、仕方なく手前の席にいた女の子に声をかけてもらった。


廊下に出て俺を見るなり、顔を俯かせた。変わらない防衛体制といったところか。しかも怒らせてしまったから余計に。とりあえず、謝らないと。

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