男子と会話はできません

俺はやっぱり馬鹿だ。


よくわかんないくせに、勝手に落ち込んだり嬉しくなったり。


笑顔を見て、ドキドキしたり。


なんだよ、これ。


「学校でも普通に声かけて」


なんでもない一言なのに、すごく勇気がいった。こんなの初めてだった。


「いや……あの」


「友達になろ」


「友達?」


「うん。俺は一緒にいて楽しかった。羽麗ちゃんだってそうでしょ?」


そう訊くと首を傾げた。あ、困らせてる。調子にのったかもしれないと改まる。


「ちょっと言い過ぎた……嫌じゃなかったでしょ?笑ってくれたし」


「まあ……嫌では」


「じゃあ決まり。友達」


「いや……でも、いいです」


「次話すとき、敬語禁止だからね」


困惑しながらも、小さく頷いた。


羽麗ちゃんのこと、もっと知りたいと思った。


そうやってなんか気づいた。


恋じゃない、恋じゃないと言い聞かせるなんて、恋に決まってるだろって。
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