男子と会話はできません
「定期戦行くの?」
頷く。
「どこ見るとか決めてる?」
首を左右に振った。
そういえば杏奈は体育委員の仕事があるから、一緒に回るの難しいのかも。
ちょっと困るな。誰と回ろう。
「じゃあさ、応援きてよ。バスケ」
「……うん」
「勝つから、絶対来て」
「うん」
「これお守りにしていい?」とハンカチを振る。
頷く。けど。
「お守り……になるかな?」
「じゃあ頑張れって言ってよ」
「えっ?」
「……」
「……頑張れ」
「よしこれでハンカチに頑張れが吹き込まれた。これで頑張れるよ」
「……」
「あのさ、羽麗ちゃんバスケ一位になったらご褒美ちょうだい?」
「えっ?」
「定期戦終わったら、部活休みの日あったから、そんときデートしてほしい」
「……デッ」
デート?
「固まった」
だって、デートってハイレベルな人しかできないことだよ?
「約束ね」と言うと、3分経ったとウルトラマンみたいに潔く去っていった。
……デート?