男子と会話はできません
5
定期戦の朝は快晴だった。
今日は暑くなるらしいと朝の天気予報で言っていた。
いつもはバス通学だけど、今日の集合場所は東高校のグラウンド。
東高校と近くの運動公園を使って定期戦は行われる。
自転車で行ける距離だった。
ポーチに出て、久しぶりに自転車を取り出す。
開会式は一応正装と言われたから、ブレザーと鞄をカゴに入れた。
家の門を出てまたがり、ペダルをこぐと重みを感じた。
なんかおかしいと思いながらこぎ続けるけど、この感覚は……。
「パンクしてない?」
後ろから声をかけられた。振り返ると、自転車に乗った隼人くんがいた。