男子と会話はできません
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ゴールデンウイークが明けて、初日。
今日も快晴。初夏のような陽気が続いていた。
隼人くんに自転車のお礼を考えた。朝練してるから、終わった後に食べれるものがいいのかな、とか。
レモンの蜂蜜漬けとか定番でいいけど、結局手作りっぽくて重そうだなと思うと手が出せなかった。
いつもより早めにバス停に向かうと、隼人くんがいた。
いつもこの時間に乗ってるんだ。早い。
MP3プレイヤーで音楽を聴いてる。
最近はなにを聴いてるんだろう。中学のとき好きだったあのバンドはまだ好きなのかな。
今ならそういうの訊けるかもしれない。
ちょっと心に余裕ができたのは、きっとあの日二人で過ごすことができたからだと思う。
数日前のわたしじゃ考えられない感覚。
だけど支えているのは、きっとそれなりに話せた友達だった時間なんだろうなとも思えた。