格差恋愛
「ふ~ん、永徳にも特進科ってあるんだ。」
そうすずかが首を傾げる
確かに私も聞いたことはなかった
「ははっ!!ただの冴えないがり勉の集まりだよな」
「そうそう!!つまんねー奴ばっかだよ」
そう二人の男の子たちはまだ大きな声で笑う
何だかすごく嫌な気持ちになった
関係のない私がもやっとするような気持ちになっているのに、碧維くんは何も言わずに本を読んでいる
ほんとなんだか不思議な人
「じゃあ、次は女の子自己紹介してよ!!」
そんな言葉に嫌なドキドキが襲う
そう、私はこれがとても苦手
大丈夫大丈夫、心の中で自分に言い聞かせる
「じゃあ、私から。西城 利華です。」
「せっかくだからどこのお嬢様か教えてよ!!」
「あ~、それ知りたい!!」
そんな言葉に嫌なドキドキが増す
「父は海外のサッカーチームに所属していて、日本代表でもあります。母は某ブランドのデザイナーです。」
そんな利華の肩を抱き、笑顔を見せる慎一君
「あの西城選手の娘だよ!!俺が契約したチームにこいつの父親もいて、で、たまたまこいつと再会したわけ!!な??利華??」
利華はぷいっと顔を反対方向に背け
「気安く触んないでってば!!」
そう冷たく言い放つ
でもやっぱり顔が赤い
「花園すずかです。父は医療法人の理事長を務めています。よろしくお願い致します」
そんな言葉にちらっと碧維君は反応し、すずかのほうを見た
そしてすぐにまた目を本に落とす
何か興味あることでもあったのかな??
もしかしてすずかのこと気になってる??
何故だかそんなことを心の中で考えていた