格差恋愛

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放課後、私は教科書を鞄にしまい立ち上がる



私のところに駆け寄ってくるすずかと利華




「今からすずかのホテルでお茶するんだけど陽菜も一緒に来ない？？」





利華は私の手を取り、微笑む





私は首を横に振り申し訳なさそうな顔を見せる





「行きたいんだけど今日はピアノのお稽古なの。また誘ってくれる？？」





二人も残念そうな顔をし、帰って行った






私は鞄を持ち、一人学校を出た
校舎を出ると目の前にはロータリーがあり、お迎えの車が列を作っている





私はちょうど目の前に来た車に近づく
運転席から出てきてドアを開けてくれる





私は車に乗り込み、ゆっくりと車は出発した





窓から見える街並み
毎日同じ光景
歩いている人も
交わされてる言葉も
きっと全く同じことなんてないはずだけど私には同じに見える
沢山の色があるはずなのに私の目にだけは白黒に写っているかのように






「中井さん？？」




私が小さい声でそう呟くとバックミラー越しに私を見る中井さん




「どうしましたか？？」





中井さんは私専属の運転手
学校やお稽古、食事
家を出るときには必ず送り迎えをしてくれる




「中井さんは恋というものをしたことはありますか？？」





そんな質問に優しい笑顔を見せる中井さん





「もちろんありますよ。私くらいの年になればしていない人のほうが珍しいでしょう。どんな人でも一度は誰かに恋をするものですよ？？」






「私にもそんな時が来るかしら。」







中井さんはゆっくりと頷く




「大丈夫ですよ。陽菜お嬢様は素敵なお方ですから。きっと素敵な方と出会えるでしょう。」






そんな中井さんの優しい言葉に心が温まる




「ありがとう。その時はこの街にも色がついて見えるかしらね。」






そんなことを考えているうちにもう家の敷地内に車は入っていた





大きな門を入りしばらく車を走らせたところにたたずむ家が私の家だ




私が帰れば何人もの家政婦さんが出迎えてくれるそんな家政婦さんに私は鞄とブレザーを手渡し、自分の部屋へと向かった