格差恋愛
◆筆箱一つ
陽菜side
あれから一か月が経つ
日差しも強くなり、テストが終われば夏休み
日が経つのは早い
でも私の中の時間は止まったまま
結局碧維君とはあれから会っていない
よく考えてみれば筆箱なんてわざわざ返しに来ないかもしれない
新しいものをすぐに用意してもらっているだろうと思っているかもしれない
私のことなど忘れてしまっているかもしれない
私の頭の中は碧維君が増えていく一方なのに
授業中、私はぼーっと外を眺めていた
勉強が忙しいのかな?
もうすぐテストだし…
もしかしてお付き合いしてる方が実はいて
他の女の子と会っちゃダメって言われてるとか…
そんなわけないか。少女漫画の読み過ぎかな。
ただ、もう会いたいとは思わないのかも。