格差恋愛
次の日の朝、俺はいつもよりも早く起き、ピンク色の筆箱を鞄の中に入れた
昨日の夜、考えてみたけど借りといて返さないのは何だかいい気がしないし、処分もできなそうだから結局返すことにした
連絡先も知らないから直接会いに行くしかない
俺は高百合女学院へ向かった
校門の前で待ってみたものの、何だこの学校は…
歩いて登校してくる奴はいねえのかよ。
みんな黒くて高そうな車に乗り、そのまま学校へ入っていく
しかも俺のことを見ると警戒したような表情を見せる
ったく、こんな玄関から玄関まで車じゃ道も覚えられねえよな
と、あの時のことを思い出した
何だかここに来たら余計身分の差を感じさせられる
なんつうか、異世界
そう苦笑いを思わずしてしまったとき、一台の車が俺の横で止まり、窓が開いた
目を向けると、中には花園さんがいた
花園さんは静かに頭を下げ俺をまっすぐ見た
俺もつられて軽く会釈をした