格差恋愛
私の部屋は家の一番奥にある一番日当たりのいい部屋
パパとママとおにいちゃんがここが私にぴったりだって言ってくれて私の部屋になった
まるでホテルのスウィートルームのような広々とした空間
ベットやカーテン、ソファなどは全て有名ブランドのデザイナーさんが私のために作ってくれたもの
大きな窓からは庭が見渡せる
そして隣の部屋は衣裳部屋
数えきれないほどのお洋服やバッグジュエリー、靴
自分でもいくつあるのかもわからないし
これがいくらするのかもわからない
この中から気分に合わせてコーディネートするのが毎日の楽しみでもある
私は着替え、玄関に行くと家政婦さんがバッグを渡してくれる
「今日はピアノのお稽古の後に新作ジュエリーのお披露目会に出席してきます。帰りは21時ころになると思います」
私はそう告げると家政婦さんはきれいに並び、私を見送ってくれる
これが私の大体の一日の流れ
身の回りのことは家政婦さんがやってくれる
移動は全て車
自分の足で一人きりで街を歩いたことはほとんどない
でもこの生活が息苦しいとか物足りないとか
そんなことを思ったことは一度もない
だってこれが当たり前だから
生まれたころから私はこれしか知らない
何も知らない