RPG伝説
「…ねぇ、ノアちゃん…僕、ユーリちゃんのことちょっと苦手かもしれない…」


なんか、怖いし…と若干青ざめた顔で言うソラ


「…そーね…でも、実はユーリって優しいんだよ」

「…ノアちゃん限定じゃないの?」


私、限定…か


「ねぇ、ソラ。今日色んな精霊みたよね?」

「…?うん」


それが何?と不思議そうに聞き返してきたソラにちらりと視線をよこし私は小さく息を吐いた


「みんなちゃんと羽が生えてたけどユーリには羽がないこと知ってた?」

「え…ユーリちゃん…羽がないの…?
…でも、飛んでたし…」

「…ユーリは重力の精霊、羽が無くても飛べるの」


服の下に隠れたユーリの背中には精霊にあるはずの羽が無い
あるのは本来なら羽が生えている場所にある赤いあざだけ


「……なんで、ユーリちゃんは羽が無いの…?」

「…ユーリは元々はちゃんと生えてたの。ユーリの羽は……私のせいで無くなった…」
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