全ての愛を贈る


ヒューっと風が吹く

5月、夜はまだ肌寒い


「正直、今まで母さんのこと嫌いだったんだ
傍に居てくれなかったし、俺に無関心だったし」


おもむろに、町田くんがパーカーを脱ぐ

そしてそれを、私に掛けた


「え?」

「いや、薄着で寒そうだったから」


「……あ、ありがとう」






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