四季の恋 ~春の始まり~



じゃあ行こっか。というアキの言葉を皮切りに私たちは2人で立ち上がる。


「あ、ハル

もういっこ」


教室を出るってところでアキがこっちを振り返る。



「なに?」


「ハルさ、冬馬くんのこと、好きだよね?」


「...バレてた?」


「バレバレ」


「ほんと?」


「少なくとも私はわかったよ。
ナツキは気づかないだろうけど。」


「そっか...


まぁ、アキにならバレてもいーや」


「そう?なら良かった。

ハルね、冬馬くんと話したあと、なんか花が舞ってるよ。」


「どゆこと」


「浮かれてるってこと。」


「...まじか。」


そんなに浮かれてた気はしないんだけど...


「よし!戻ろ!」


「って、もうチャイム鳴るじゃん!急げ!」


時計を見て気づいた私がそう言うと、アキは「えっ!?次英語じゃん!重要!!」と言って走り出す。


アキの背中を追いながら私は思った。






アキ、1時間目は数学だったよ。


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