初恋は泥んこだらけ。

気づいたら足が動いてた。
傘をもって、わたしの出せる全速力で
とにかく走った。


「痛っ!」

転んで、擦りむいたところが痛む。
服が泥だらけになっても気にならない。


「ハァッハァッ…
風邪…引いちゃうよ?」


目の前の彼に傘を差し出す。
びっくりした様子だけど
少し、嬉しそうに


「ありがとう」


って言ってくれた。

言わなきゃ…
ちゃんと自分の気持ちに気づいたんだから
自分の口でハッキリと言わないと…!



「あのね!
前、言ってくれたことなんだけど…
わたしも好き!! だから、お願いします」


きっと、フラれると思ったんだとおもう。
私も春子がいなかったら、自分の気持ちに
気づかないで、断ってたと思う。
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