初恋は最後の恋
その出会い、最悪
二人の転校生
私の名前は長谷川奈々。お決まりのどこにでもいる普通の女子高生。今年の春にこの高校に入学して、友達もそれなりに多い方かな?
高校生といえば青春。勉強して、運動して、恋をして・・・が普通の高校生の在り方だと思う。でも私は身体を動かすのが苦手。恋に関しては疎くて誰かを好きになった事はない。想いをぶつけられた事はあるけれど、結局はごめんなさいをしてしまう。最終的に私に残った事は勉強をする事。勉強して、勉強して、いつしか私は学年でトップの成績を取っていた。お母さんは喜んでくれるし、先生も多少居眠りをしていても怒らないでいてくれるようになった。生徒会からもスカウトが来るようになったりと(恐れ多いので断っているけれど)、充実した高校生活を送っていた。
「おはよー」
今日も一日が始まる。私はすでに教室にいた親友の七海(本名は荒川七海)に挨拶をした。七海は小学生の頃からの友達で、今となってはお母さんよりも一緒にいる時間が長い。お母さんも七海を我が子のように接しており、友達や親友というよりも姉妹に近い。そうなった場合、どっちが姉になるのだろう。
そういえば、教室がやけに騒がしい。何かあったのだろうか?私は七海に聞いてみた。
「転校生だって!転校生!」
七海が興奮気味に答える。転校生で女子が騒ぐのは漫画ではお決まりのパターンだが、どうやら現実でも同じらしい。
「背が高くて、超イケメンなんだって!」
転校生はイケメンというのも同じようだ。しかし夏休み明けに転校生というのも珍しい。
そうこうしている内にチャイムが鳴り、担任の先生がやって来た。日直の号令で挨拶を済ませると、さっそく転校生の紹介に入った。先生が教室のドアを開けると、一部の「男子」から歓声が上がった。
「御堂雪乃です。宜しくお願い致します」
教壇に立っていた転校生は女の子だった。その見た目を言葉にするならば、先ほど七海が言っていた「長身で超イケメン」を女の子に変えたような感じだ。肩まで伸びた黒髪はとても綺麗で、顔立ちもよく、お辞儀をした時の振る舞いはお嬢様という言葉が良く似合う。
御堂さんは先生の指示で、空いていた私の隣の席を使う事になった。御堂さんが着席する直前、私は彼女と目が合った。思わず目を逸らそうとしたが、御堂さんはニッコリと笑いながらもう一度挨拶をした。
「宜しくお願い致しますね、長谷川さん」
「やっぱり転校生の噂は嘘だったのかな~」
ホームルームが終わり、一時限目の現国の準備をしていると、七海の落胆した声がやって来た。七海は噂に振り回されやすい。今回も相当にショックだったようだ。
「七海、そんな事を言ってると御堂さんに失礼だよ」
「そんな事言われても~」
「あの・・・」
そんな私たちのやり取りを聞いて、御堂さんが声をかけてきた。
「恐らく、その「イケメンさん」というのは、隣のクラスの転校生ではないでしょうか?名前は確か・・・結城さんだったと思いますが」
高校生といえば青春。勉強して、運動して、恋をして・・・が普通の高校生の在り方だと思う。でも私は身体を動かすのが苦手。恋に関しては疎くて誰かを好きになった事はない。想いをぶつけられた事はあるけれど、結局はごめんなさいをしてしまう。最終的に私に残った事は勉強をする事。勉強して、勉強して、いつしか私は学年でトップの成績を取っていた。お母さんは喜んでくれるし、先生も多少居眠りをしていても怒らないでいてくれるようになった。生徒会からもスカウトが来るようになったりと(恐れ多いので断っているけれど)、充実した高校生活を送っていた。
「おはよー」
今日も一日が始まる。私はすでに教室にいた親友の七海(本名は荒川七海)に挨拶をした。七海は小学生の頃からの友達で、今となってはお母さんよりも一緒にいる時間が長い。お母さんも七海を我が子のように接しており、友達や親友というよりも姉妹に近い。そうなった場合、どっちが姉になるのだろう。
そういえば、教室がやけに騒がしい。何かあったのだろうか?私は七海に聞いてみた。
「転校生だって!転校生!」
七海が興奮気味に答える。転校生で女子が騒ぐのは漫画ではお決まりのパターンだが、どうやら現実でも同じらしい。
「背が高くて、超イケメンなんだって!」
転校生はイケメンというのも同じようだ。しかし夏休み明けに転校生というのも珍しい。
そうこうしている内にチャイムが鳴り、担任の先生がやって来た。日直の号令で挨拶を済ませると、さっそく転校生の紹介に入った。先生が教室のドアを開けると、一部の「男子」から歓声が上がった。
「御堂雪乃です。宜しくお願い致します」
教壇に立っていた転校生は女の子だった。その見た目を言葉にするならば、先ほど七海が言っていた「長身で超イケメン」を女の子に変えたような感じだ。肩まで伸びた黒髪はとても綺麗で、顔立ちもよく、お辞儀をした時の振る舞いはお嬢様という言葉が良く似合う。
御堂さんは先生の指示で、空いていた私の隣の席を使う事になった。御堂さんが着席する直前、私は彼女と目が合った。思わず目を逸らそうとしたが、御堂さんはニッコリと笑いながらもう一度挨拶をした。
「宜しくお願い致しますね、長谷川さん」
「やっぱり転校生の噂は嘘だったのかな~」
ホームルームが終わり、一時限目の現国の準備をしていると、七海の落胆した声がやって来た。七海は噂に振り回されやすい。今回も相当にショックだったようだ。
「七海、そんな事を言ってると御堂さんに失礼だよ」
「そんな事言われても~」
「あの・・・」
そんな私たちのやり取りを聞いて、御堂さんが声をかけてきた。
「恐らく、その「イケメンさん」というのは、隣のクラスの転校生ではないでしょうか?名前は確か・・・結城さんだったと思いますが」