鬼系上司は甘えたがり。
 



「--あの、前から聞きたいなと思っていたんですけど、主任はどうして私がよかったんですか? 考えたけど、別に私、主任に想ってもらえるほどの人間じゃないと思うんですよ。なんでだろうなって、ずっと不思議なんです」


それから数時間。

主任が腕によりをかけて作ってくれた特製のクリスマスディナーに「美味しい!」を連発し、帰り道に2人で受け取った、彼が予約していたというケーキにも舌鼓を打ったあと。

私へのプレゼントとして、いかにも高級そうなブランド物のネックレスを頂いた私は、それを主任に付けてもらいながら、ずっと気になっていたことを訊ねてみることにした。

この間、由里子とプレゼントを選びに行ったときに、彼女も興味津々に言っていたこと。

そのときは、あの主任がわざわざ話してくれるわけないじゃん、と特に気にも留めなかったけれど、出来ることなら聞いてみたい。


それに、クリスマスの今日くらいは、話してもいい気分になってくれるかもしれない。

……というか、この際だから白状してしまうと、理由を聞いて安心したいのだ。
 
< 146 / 257 >

この作品をシェア

pagetop