鬼系上司は甘えたがり。
 
「あと、この際だから言うけど、ずっとタイミングを窺ってたんだよ。今言ったら困らせるだろうかとか、本気にしてもらえなかったらたまんねーなとか、そんなことをウダウダ考えてる間に気づいたら2年半。自分でも情けないと思う。でも……マジで良かった、薪に好きな男ができなくて。俺を好きになってくれて」

「主任……」

「だから、俺にとって薪は最高の女なんだよ」


顔を上げ、今にもキスができそうなくらいの至近距離で私と目を合わせた主任は、甘い色気を惜しげもなく放ちながら妖艶に微笑む。

主任の目の中には、瞬きすら忘れて驚いた顔をしている私が映っていて、照れ臭いからいい加減目を逸らしたいのに逸らせなくて、困る。

どうしよう、まさか主任の口からこんなに甘い台詞が次々と出てくるとは思ってもみなかったから、何から処理していったらいいのか、頭がちっとも追い付いてくれない……。


「主任、私、主任が好きです。主任のことも、このネックレスも、ずっと大事にします」


だけど、伝えたいことは自然と口から零れる。


「私のほうこそ、こんな私を好きになってくれてありがとうございます。幸せです。……抱いてください。今、主任に抱いてほしい気持ちでいっぱいなんです。好きにしてください」
 
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