鬼系上司は甘えたがり。
 
主任の気持ちに応えたい一心で、普段の私なら絶対に言わないような台詞を真剣に伝える。

恥ずかしさは不思議とない。

いい歳をした男女がクリスマスの夜にすることといったら、きっと一つに決まっているし、そうじゃなくても主任はいつだって優しく抱いてくれるけれど、今日は特別な日だから。

ずっと思い出に残るものにしたい。

すると、目を見はっていた主任は突然フイッと顔を背けて頭をガシガシしながら唇を尖らせる。


「おまっ、なんでそう、こっちの心の準備も出来てないうちに可愛いこと言っちゃうんだよ。いや、そろそろ俺も我慢の限界だったし、喰うつもりだったから別にいいんだけど、むしろ大歓迎なんだけど……にしたって可愛すぎだろ」

「主任、もしかして照れてます?」

「照れないワケあるか!どんだけ俺が想ってきたと思って……!システム課の小川を追っ払ったり、薪を気に入る男ができないようにわざと名前で呼んだり、下僕にしてみたり、色々手を尽くしてやっと手に入れたんだ。そんな薪に抱いてほしいなんて言われたら、優しくできない自信だけはある。どうしてくれんだよ」

「いや、そんなこと言われても……」
 
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