鬼系上司は甘えたがり。
結局、突如獣と化して襲い掛かってきた主任を窘めようとしたそれは瞬く間に意味を失い、聖夜のこの日、私は本当に遠慮も手加減もなくなった主任にとことん食べられたのだった。
だけど、プレゼントのネックレスが首元でチャリンチャリンと鳴るたびに主任の気持ちが体中に浸透していくようで、すごく幸せで満たされた気分になったことは言うまでもない。
私が一体、どんな風に主任を助けたことがあるのか、身に覚えがないだけに気にならないわけではないし、思い出せたらいいなとは思う。
でも、そんな些細な疑問を差し引いても大いに余りあるほど、主任が今までも、これからも、どれくらい私を大事に思ってくれているか言葉でも体でも存分に聞かせてもらったから。
きっともう、恐いものは何もない。