鬼系上司は甘えたがり。
全ては主任が私を想ってしてくれたこと。
それのどこを責められるというのだろうか。
すると、言っている途中から涙がとめどなく溢れ、言葉尻が震えてしまった私の気持ちごと飲み込むように、主任がそっと唇を重ねてきた。
角度を変えながらだんだんと激しさを増していくその久しぶりの感覚は、ともすれば溺れてしまいそうで、私はやっと甘く毒してくる肉食獣の元に帰りつけた喜びを心の底から味わった。
「薪、俺が好きか?」
「もちろんです」
長いキスのあと、これもまた久々に繰り出された主任のお決まりの台詞に間髪入れずに返事をすれば、主任の顔がくしゃりと歪む。
それが私には、どうしても泣き顔に見えて。
--本当はハイスペックでも強くもないこの人のことを、ずっとずっと守ってあげたい。
そう思ったのだった。