鬼系上司は甘えたがり。
 
こうなったら主任が舌を巻くくらいイイ仕事をして、私だって出来ることを認めさせてやろう。

腹を括ってとことん食らい付いていくしか、主任に認めてもらう手段はないんだ、これから半年、死に物狂いで頑張るっきゃない!





そうして連日連夜の残業を終え、心身共にヘトヘトの出がらし状態になった私は、なぜか今週も主任と週末を一緒に過ごすことになった。

理由は『甘えたい』からだそうだ。

……なんじゃそりゃ。


こっちは急な引き継ぎで一週間てんやわんやだったというのに、金曜日の今日、定時間際、当前のようにラインで『喜べ、甘えてやる』と意味不明なメッセージを送ってきたのだ。

怒涛の一週間だったおかげで、主任の秘密が“恋愛映画”と“極度の甘えたがり”だということをすっかり忘れていた私は、そのメッセージを見てしばらく、はて……?と首を傾げていたのだけれど、再度念押しするように『今日のエサはパエリアだ』と送られてきたので、既読マークも付いてしまっていることだし、仕方なく『了解です』と返事をするしかなかった。

しかし、これは一体どういう状況だろうか。
 
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