歪んだ愛情【更新中】
美海が頬杖を付き
目を細めた。
「あれが明里の好きな人か」
「なんか普通」
「亮介くんの方が格好いい!」
「てか信ちゃんと並べばどんな男も普通に見える気がする。顔派手だし。美海が並ぶとさらに派手だけど」
「亮介くんも顔立ちいいけど、確かに信ちゃん顔派手だからね。一緒に歩いててたまに気負いするもん」
「大丈夫だよ。美海も顔派手だから。目つき悪くて!」
「黙れ、マナ」
5人がカフェテラスに入ったのを見て
3人は話すのをやめた。
信吾が犬のように駆け寄り
美海に飛びつくと
あからさまに嫌な顔をした。
「暑いって」
セミが鳴き、
太陽が肌を刺すように照り散らしている。
木の下にあるこのお気に入りの席は
少し涼しめるとっておきの席。
少し肌が触れるだけで
汗をかく。
尚更走ってきた信吾は体が熱い。
余計な体温を
美海の肌に当ててくる。
「待ち合わせ何時なの?」
「あと1時間後」
「早くいきなよ」
「この暑さの中、美海はすごい寒い言葉を俺にかけるね」
亮介が一つ空いている席に
座り煙草に火を点けようとした。