歪んだ愛情【更新中】


煙草を口の端で加え、
立ち上がってジーンズの
ポケットを探り出し、
鞄の中をあさり出す。

そんな亮介の姿を見て
すかさず浅見がライターを差し出した。


手をかざしながら差し出す
浅見のライターの火に
加えていた煙草をかざし
亮介はにこりと笑った。


その笑顔に満足げに
浅見は微笑み頬を染めた。


「マナちゃんごめんね。煙草吸わないのに吸っちゃって」

「いえいえ。普段からマナ以外吸うから煙には慣れてる」


悪かったね、
と言いながら浅見と美海が舌を出すと
亮介が浅見を見て微笑んだ。


「俺は煙草吸う女の子嫌いじゃないよ」


その言葉に浅見は亮介から目を逸らし先ほどより頬を紅潮させた。


「口元が隠れる瞬間とか口を細めて煙を吐くときがエロいからね」

「亮介くんって意外な発言多いよね。エロいとか言うんだ。もっと紳士かと思ってた。」

「何言ってるの美海ちゃん!君の彼氏以上に紳士な男なんていないよ!」

「信ちゃんうるさい!早くいきなよ」


仏頂面で美海が信吾を送り出し、
亮介の煙草が吸い終わるのを見て
4人も大学を出た。





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