歪んだ愛情【更新中】
「じゃあこの新しい出会いを祝してかんぱーい!!」
信吾の乾杯でみんながグラスを打ち付ける中
後から入ってきた男だけ浮かない顔をしていた。
「君も彼女持ちなんでしょ?」
「あ、うん」
「俺も。俺も。ただの飲み会だと思ってさ、楽しもうよ。俺、信吾。よろしく!」
「よ、よろしく」
女の子2人は信吾に興味津々で
根ほり葉ほり聞き出そうとしていた。
「彼女とどれくらいなの?」
「もうすぐ4年経つよ。長いでしょ!」
自慢げに鼻を鳴らす信吾にすかさず明里が会話に入る。
「高校でさ、ベストカップルとか選ばれる2人でいつも一緒にいるんだよね。美海と信吾くんはセットみたいな感じ」
「彼女可愛いの?」
「そりゃもちろん!世界で一番可愛いよ!なんで美海がミス応陵じゃないのか分からない!」
そう言いながらグラスに入ったビールを一気した。
「でもミス応陵の人すごい綺麗じゃない?」
「あー果南?あいつこえーもん」
「友達なの?」
「あいつも高校一緒。な?明里」
「うん。果南は綺麗だよね。信吾くんの彼女の親友なんだよ」
その言葉に信吾はおもむろに携帯を取り出し、
データフォルダを開いた。
画面には美海に果南。浅見にマナが写っていた。
「この4人がいつも一緒にいるの。これ果南ね」
「彼女はどれ?」
「これこれ」
プリクラの右上に写る美海を信吾は自慢げに指さした。