歪んだ愛情【更新中】


飲んでも飲んでも
潰れる気配のない果南とマナに
これでもかと言うくらいのお酒を飲ませる美海。

よく笑い、
はしゃいでいる。


「美海ちゃんってこんなに笑うんだね。最近笑った顔見てなかった気がする。」

「4人でいるときはあんな感じだよ。いつも。すごいうるさい。」

「最近笑った顔を見てなかったのは信吾のせいかな?」

「あー。信ちゃん?どうだろうね。」


素っ気ない返事しかしない浅見の頭に手を置き、
亮介はそっと顔を覗いた。


「唯子ちゃん、酔ってきた?」

「全然。飲み足らないくらいだよ。」

「どうしたの?なんかあった?」

「別にー。マナー。ビール!!」


そう言ってマナからビール瓶を受け取ると
浅見はそのまま瓶に口を付け
ラッパ飲みをし始めた。


「お!いくねー。浅見!もっと飲め飲め!」


5人しかいないのに、
大宴会をしているかのように
盛り上がっていた。


飲み干した瓶を逆さまにし、
瓶を振りだした。


「足りなーい。」


すぐに美海が店員を止め、
ビールを3本追加した。


「狂ってきた。あいつなんかあったなー。」

「ずっと亮介くんの隣りにいたしなんか言われたんじゃん?」


美海と果南が小さな声で耳打ちをしているとマナが顔をだした。


「もう浅見止められないよ?」

「飲ませとけ、飲ませとけ。嫌な事がなきゃ浅見は狂ったりしないよ。」

「ほら、ビール来た。浅見!飲め飲め!」


果南がビール瓶を手渡すと
浅見はそのまま飲み始めた。

今度は瓶の半分まで飲み、
瓶を持ち上げた。


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