歪んだ愛情【更新中】
立ち上がったままの浅見はまた亮介の横に腰を下ろした。
「気になる?」
「そんなに。何かあるんだろうな、とは思うけどそこは俺が首を突っ込む所じゃない」
「美海の事なのに?」
「ん?それは俺が信吾の友達っていう立場としてかな?」
浅見は首を傾げ、
亮介を見つめた。
酔いが回り、目が潤んでいる。
「亮介くんは美海が気になるんじゃないの?」
「なんのこと?」
「だってさっき美海の話ばっかりしてたから」
「あ、やっぱりやきもちやいてくれた?」
浅見は頬を膨らませて
亮介の背中を思い切り叩いた。
亮介は笑顔をこぼし、
浅見の頭を撫でる。
「俺、唯子ちゃんにしか興味ないんだけどな」
「え?」
浅見と亮介の正面で飲んでいた3人も思わず手を止めた。
「ちょっとうちら抜けようか」
美海がテーブルの上に置いてある煙草を手にして立ち上がった。
「ありがとう」
亮介の笑顔に
美海は笑顔で返し、
拳を上に上げた。