歪んだ愛情【更新中】
うるさかった3人がいなくなると
居酒屋自体がすごく静かに感じた。
浅見は黙ったまま下を見続けた。
「唯子ちゃん?」
「は、はい!」
「なんか言ってよ」
顔を上げ、亮介を見つめまた下を向く。
「俺、唯子ちゃんの事好きだよ。結構前から。電話をよくしたりするようになったくらいかな?」
煙草を手に取ろうとしたのをやめ、
浅見の手をきつく握った。
「友達思いな所とか、考えがまっすぐな所とか。笑った顔とかさ。好きになった部分はあげたらキリがないよ。すごく人に気を遣うじゃん?そういう部分も好きだし、気を遣いすぎて参ったりする事もあるって前言ってたじゃん?そんな時そばにいてあげたいな、とか思ったり」
下を向き続ける浅見の顔を覗くと
目から涙をこぼしていた。
「唯子ちゃん?ちょっと!泣かないでよ」
「あたし彼氏作るの怖かったんだ。でも亮介くんに会った時、この人なら大事にしてくれるんじゃないかな?って思って、それで、それで」
やっと顔をあげた浅見を見て、
頬に流れる涙を亮介は自分の手で拭った。
「唯子ちゃんがちょっと恋愛不信になってる事は信吾から聞いてたよ。俺は浮気したりしないし、唯子ちゃんにしか興味ない」
その言葉に浅見はまた涙を流した。