歪んだ愛情【更新中】
腕を組む果南に向かって亮介は頭を下げた。
「大事にします。誰よりも唯子ちゃんを大事にする自信があります。俺が守る。唯子ちゃんを泣かせたりしない、傷つけたりしない。唯子ちゃんと付き合ってもいい?」
下を向き、
黙ったままの果南を美海とマナ心配そうに見つめた。
浅見も手を震わせ、
果南を見続けた。
組んでいた腕を緩ませ、
果南は笑った。
「あたしは親か。大事にしてね、浅見の事」
「かなーん!!」
美海とマナが飛びつくと
果南はそのまま倒れ込んだ。
浅見と亮介は目を合わせて笑った。
「あ、果南だけじゃないよ!浅見の事傷つけたらマナも怒るからね!」
「そうだよ!あたしもすぐに殴り飛ばしに行ってあげる!」
「大丈夫。3人にそんな体力使わせるような事はしないから」
ビール瓶を5本持って
居酒屋の店主が顔を出した。
「これは祝杯かな?おじちゃんからのサービスだ!飲みな!」
「おじちゃーん!」
「4人は昔から来てくれてるかな。俺の娘みたいなもんだ!兄ちゃん大事にしてやってな」
「未成年って分かってて酒飲ましてくれるのおじちゃんくらいだったよ」
「早い頃から飲ませすぎてこんなザルになってしまったのかな?」
ビール瓶をテーブルに置きながら、
おじちゃんは浅見に1本差し出した。
「飲め!浅見!」
浅見の一気に盛り上がりすぎて
美海は携帯の存在を忘れていた。
信吾からの着信がもう
5件もきていた。