歪んだ愛情【更新中】
家に着いて美海は一番に薬を飲んだ。
少し痛みが治まるまで美海はふさぎ込むように
体を丸めて座った。
「信ちゃん、終わりたい」
「は?」
「もう限界です。気持ちが追いつかないの」
信吾は目を丸くして
美海の手を握った。
「今あたしの気持ちが信ちゃんと同じ場所にいないの。信ちゃんがすごいあたしを好きでいてくれている、でもあたしはその気持ちに追いついていない」
「え?美海は俺の事が好きじゃないって事?」
「好きの意味がもう違うんだよ。恋愛じゃなくなってる」
手を握る力がだんだん強くなるのがわかる。
美海は痛みに我慢し、精一杯の言葉を口に出す。
「もう駄目だよ、あたし。このままじゃ信ちゃんを裏切ってしまう」
「いや、意味がわからない。美海はいつまでも俺のそばにいるんじゃないの?」
「そういう部分がもう違うの。信ちゃんがそう思ってくれていても、あたしはもうそう思えない」
「なんで?」
「なんでって…」
「お前、浮気してる?」
「え、」
信吾の目が一瞬で変わったのを見て
美海は手を離し信吾から離れた。
少し間を開け、信吾の顔を横目で瞳に映す。
「佐野が言ってた。美海が浮気してるって、信じなかったけど佐野が真実?」
「そ、それは…」
「携帯貸して!」