歪んだ愛情【更新中】
ゆっくりチャイムを押すと
ジャージ姿の浅見が顔を出した。
「美海?大丈夫?」
「うん、もう体調良くなった」
「違うよ。顔、死んでる」
浅見に手を引かれ見慣れた部屋に入ると
テーブルには酒が並べられていた。
「美海!」
果南とマナが叫ぶ声がして
顔を上げるとそこにはやっぱり亮介もいた。
「みんないたんだ。来て良かった」
「ちょっとあんた大丈夫?」
顔をのぞき込みマナも浅見と同じ事を言った。
よっぽどな顔をしていたのだろう。
「まあ、座りなよ」
「お前の家かよ」
果南に毒をさされ亮介が笑っていた。
幸せそうな浅見と亮介の顔を見て美海も笑みをこぼした。
こんな風に信吾と付き合ったときも4人で喜んだ。
あのときは今までで一番幸せな瞬間だった。
でも今は信吾といるだけで
心が締め付けられそうになる。
もし千歳と出会わなくても
きっと別れはいつか決断していただろう。
千歳と出会ったのがたまたま早かっただけで
いつかは別れていたはずだ。
「信ちゃんに別れようって言った」