歪んだ愛情【更新中】
一番動揺していたのはもちろん亮介だった。
「信吾はなんて?」
「考えたいって」
「そっか。よく言ったね、お疲れ」
冷静に話す果南が美海に微笑んだ。
浅見が力強く美海を抱きしめ
美海はやっとの思いで
涙を流した。
ため込んだ涙を
苦痛が生んだ涙を
美海は声を上げながら流した。
「ちょっと待って、2人は上手くいってなかったの?」
「もう1年以上前からね」
「美海はずっと耐えて来たの。信ちゃんの事が好きって思いこんできたんだよね」
マナの言葉は美海の真実だ。
ずっと思いこんで
ずっとそう自分に言い聞かせて来たのだ。
「信吾は、」
「とりあえず帰ったんじゃない?美海が無事ならうちらはそれでいい」
「亮介くんは昔の信ちゃんを知らないから味方したくなるかもしれないけど、あたし達はこれを早くから望んでたんだよ」
浅見が亮介を真っ直ぐ見つめて話すと
亮介は納得したように頷いた。
「美海ちゃんは後悔してないんだよね?」
浅見の腕の中で深く頷くと、亮介は笑った。
「信吾は大事な友達だけど、美海ちゃんは大事な彼女の親友だからね。なんで別れたの、とか攻めたりしないよ」