歪んだ愛情【更新中】
-みうって読むの?美しい海なんて綺麗な名前だね。美海って呼んでいい?-
信吾に初めて話しかけられた時を思い出した。
「小川ってみうっていうの?超珍しい!」
頭を振り、信吾の言葉をかき消した。
煙草を取り出し、火を点ける。
左手に持つ煙草を落とさないようにメールを打つ。
「誰?」
「浅見!」
切り返しが早かったためか、信吾はそれ以上は聞いてこなかった。
また美海の知らない話に花を咲かせ始める。
男の子たちが美海に話を振っても、それを女がなかったことのように話をすぐに変えてしまう。
「信吾の彼女さん煙草吸うんだね」
やっと話かけてきた女は嫌味のように言葉に刺を付けてきた。
「そういえば周りの子も吸ってるよね。ミス応陵の飯田さんも。」
「果南は相当前から吸ってるよね?」
「うん。あたしと知り合う前から」
「え?4人っていつからの知り合いなの?」
「高2」
「そうなんだ。いつも金魚のフンみたいにひっついてるから幼なじみみたな感じかと思った。あなた達無しじゃ生きられない!みたいな感じだもんね」
美海の顔が強ばるのを見て信吾がフォローを入れた。