歪んだ愛情【更新中】
携帯の電源は入ったまま。
美海は信吾にばれないように携帯に入れた。
あの日、美海はただひたすら謝った。
何故自分が謝っているかは美海自身も理解出来なかった。
でも謝り続けた。
信吾は何も言わずに遠くを見つめるだけで、
そんな信吾の傷付いた手を美海は黙って消毒をする。
信吾が運転する車の中で
美海の携帯は2回だけ鳴った。
一つ目の着信は果南からだった。
イルミネーションの色でわかったが美海は電話に手は伸ばさなかった。
二つ目の着信は千歳。
これもすぐにわかったが、
美海はそのまま鞄の中に携帯を沈めた。
それからは圏外という文字が携帯に表示され、
連絡とういものを自然に遮断されてしまった。
寝ない日もあり、
美海は日にちを把握出来ていない。
ずっとこの信吾の別荘から出ていない。
出たいという言葉すら恐怖で言えなかった。