歪んだ愛情【更新中】
ぎりぎり間に合い一番最初に行ったのは小さなガソリンスタンド。
ガソリンを入れてから駐車場まで車を走らせた。
夏休みという事もあってか、
立ち並ぶ店の前には人がたくさんいた。
行き交う人はみんな穏やかで、
軽井沢という場所を満喫している様子。
そんな姿を目に映し、美海は頬を引きつらせる。
周りから見たら自分と信吾も穏やかなカップルなのだろうか
そんな事を頭の端に押し寄せ、店という店を見渡した。
俺、トイレ!
たった一言、言い残し信吾は慌ててその場を立ち去った。
子どもだな、
これも好きになった一部だ。
無邪気で子どもっぽい信吾が好きだった。
でも極端に冷静すぎず、
極端に子どもっぽすぎず、
美海の理想の形を身にまとった
千歳という人物が現れてしまった。
今は千歳以上に誰かを想うことはない。
でも信吾のために、
何より愛する千歳のために、
美海は昔のように信吾を想わなければいけない。
そんな風に考えていた。