歪んだ愛情【更新中】


信吾を待つ間、鞄の中で震える携帯に驚き思わず肩を上げた。


センターで止まっていたメールが
圏外から開放され一気に美海の携帯へ届いたのだ。


57件。


その件数に目を丸くし
美海は久しぶりに携帯をいじっていく。


最近のメールから表示される携帯は
日にちと時間を今と照らし合わせ、
2時間前に来ていた。


ここ最近の30件は
果南、浅見、マナからだった。

古いメールに12通、千歳からのメールもある。

佐野から3通。

大学から2通。

そしてまた一番古い10件にまた3人の名前が並んだ。


3人のメールは同じような内容ばかりだった。


最初は
何処にいるの?

というメールが続き、
少し日にちが空くと

美海のお母さんに聞いた、軽井沢の何処にいるの?

というメールだった。


律儀に信吾は服を取りに行ったとき
両親に挨拶をし軽井沢行きの承諾を得ていた。


大丈夫?
何もない?
連絡頂戴!


心配する3人のメールに涙を溜め、
大学のメールに目を通す。


レポートの追加内容で
肩を落とす。


佐野のメールは謝りのメールがひたすら続き、読む気が失せてしまう。


最後に目を通そうと思い
とっておいた千歳のメールに躊躇しながら
携帯をスクロールさせる。



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