歪んだ愛情【更新中】
何度も言われ、
何度もその言葉に頬を染めた。
お互い言っても足りないと言い続けてきた言葉がメールに並ぶ。
どうして、
どうして、
信吾と出会う前にこの人に出会えなかったのだろう。
美海は自分の人生を恨んだ。
自分の生きて来た道を恨んだ。
「千歳…」
甘い声で
もう呼ぶことの出来ない名をつぶやく。
身をかがめ、
2度と抱きしめる事の出来ない体を思い出しながら携帯を強く握った。
「美海?!」
トイレから戻った信吾は焦りながら駆け寄る。
「具合悪い?」
美海が必死に首を振ると
手にしている携帯に目を落とした。