歪んだ愛情【更新中】
バスタオルで頭をかき回し、
栗毛色の髪を拭いていく。
リビングの扉を開けると
美海が気持ちよさそうな顔で眠っていた。
そっと前髪に手を掛け、
叩いてしまった頬に手を添える。
「ごめんな」さっき言えなかった言葉を寝ている美海に向かい、小さく口を開いた。
狭いソファーで寝返りをうとうとする美海の腰に手を掛け、
信吾は優しく寝返りを支えた。
「んんー」
寝言を言い出す美海に優しい瞳を向け、
思わず頬を緩ます。
でも
次のたった3文字が信吾の頬をすぐに痙攣させた。
「ち、とせ」
力一杯肩を掴み、
美海の体を起こした。