歪んだ愛情【更新中】
「誰の夢、見てんだよ」
肩、痛いとうつろな目で訴える美海に対し、
激しく肩を揺すった。
「聞いてんの?誰の夢見てた?」
「そんな急に起こされて、夢の内容聞かれても覚えてないよ」
寝起きが不機嫌な美海は
信吾に冷たく言い放つ。
さらに起こされた事に対しての睨みまで付け加えた。
「何睨んでんの?」
「別に。睨んでないし」
信吾の右手が握ったままの形で
美海の左頬を貫く。
拳の裏で殴られた美海は
そのままソファーに頭をぶつけた。
「口の利き方気を付けて」
さっきまでの優しい目が
また嘘のように変化していく。
思わず涙を流し、
何度も痛い、痛いと言い続けた。
美海の目の前にいるのは
美海の知っている信吾じゃない。
誰か別の人、
そう思ってしまうくらい
信吾は美海に冷たかった。