歪んだ愛情【更新中】
冷房が利いた涼しい浅見の部屋。
煙草の煙が天井を覆っている。
「大丈夫かな?」
「全然大丈夫じゃないと思う」
心配そうに遠くを見つめるマナ、
それに対して冷静な果南。
2人に麦茶を注いでいるのは亮介だった。
「でも俺は信吾も大丈夫かな、って心配する」
「それはね、信ちゃんも相当やばいと思う」
浅見は冷蔵庫から冷凍されたご飯を取り出した。
チャーハンでいい?ラップを外しながら問いかける浅見に
3人は図々しくオムライスがいい、
と声を揃えた。
美海からの電話で
急遽浅見の家に集まり、
暗い雰囲気から会話が始まった。
「美海、何も話さなかった」
浅見がタマネギを刻みながら
ポツリと言葉を漏らす。
「マナのときもだよ」
「全員か」
「何も話せなかったんじゃない?久しぶりに3人の声を聞いて嬉しかったんじゃない?」
亮介は優しく3人に声を掛けた。