歪んだ愛情【更新中】
携帯が使えない事に関しては、
誰も信吾が壊したとは思っていなかった。
まさかそこまでするとは
思わなかったようだ。
タマネギを刻み終え、
ウインナーを輪切りにする浅見は亮介に卵を取ってと冷蔵庫を指を指した。
「何もないかな?」
ふと煙を深く吸い込む果南が目線を落としながらマナに問いかけた。
「新しく2人で始めるために、2人で軽井沢に行ったんじゃないの?」
「そうは思えないんだよね」
「でも信ちゃんそう言ってなかった?」
台所に立つ浅見は小刻みに首を縦に振る。
果南は首を傾げ、
天井を見つめながら煙を吐いた。
「信吾はさ、美海にすごく優しいじゃんあの場でも美海を決して攻めなかったよね?千歳を攻める一方でさ」
「美海ちゃんが大好きだからじゃないの?」
温め終わったご飯をレンジから取り出し、
亮介は当たり前のような口調で果南に問いかける。
「だからだよ。大好きな美海がまさか自分を裏切るとは思ってなかったんじゃない?だから冷静になった信吾は美海を攻めそうな気がするんだよね」
「あのときは荒れてたからね。今になってなんで?ってなりそう」
何もなきゃいいけど、
といいながら浅見は具を炒め始めた。