歪んだ愛情【更新中】
「美海?」
顔を伏せる美海に
信吾は頭に手を掛けた。
叩かれる!
そう思ったのか美海は急に体を起こし、
震えながら信吾を凝視した。
「何もしないよ、さっきはごめん」
そう言って冷たいタオルを美海の頬に当てる。
小さな声で「ありがとう」と言うと
信吾は優しく微笑んだ。
熱かった頬がゆっくりと冷えていく。
「ご飯は?」
最初は首を振ったが
3人と電話をしたときの事を思い出し、
食べる、と言い直した。
大きな手のひらが目の前で広げられ、
そっと自分の手を乗せ、
美海から手を握った。
戻ろう、
そう意識をし
信吾が大好きだった自分を思い返した。