歪んだ愛情【更新中】
並ぶブランド物の鞄を見て
美海は溜め息をついた。
「ここのブランド好きじゃない」
「美海の好きなブランドは安売りしないでしょ」
アウトレットの中で一番最初に向かったのは
このお店だった。
何かを発見したように
お店を飛び出し、
美海は目を輝かせ信吾を手招きした。
指を指す方向を見て
信吾は息をはきながら笑った。
美海の好きなメーカーのショップだ。
信吾が追いつく前に
店に入り、店内を何周もした。
「すごいね、安いよ」
「アウトレットだもん」
いくつか手に取り、
美海は無邪気な笑顔で信吾に差し出した。
はいはい、と信吾はお財布を取り出し2人でレジに向かった。
「優しい彼氏さんですね、買ってくれるなんて」
店員が微笑んで
美海は信吾を見つめた。
そういえば
信吾は誰もが羨むような彼氏だった。