歪んだ愛情【更新中】
大抵のわがままは許してくれる。
見た目は完璧。
家はお金持ち。
自分の車を持っている。
常に優しい。
大学生にしては完璧すぎた。
まるで年上と付き合ってる気分だった。
年上で、社会人。
そう思わせるような彼氏だ。
エスコートの仕方も
デートのプランも
いつも完璧だった。
美海の望んだ通りの1日になる。
絶対期待を裏切らなかった。
それが信吾だ。
こんな風に考えると
どこを嫌いになったのか思い出せなくなる。
ついこの間までは
嫌いな部分の方が多かったはずなのに。
「美海?」
固まる美海の前で信吾は手を振っている。
「あ、ごめん。考え事」
信吾の顔つきが一瞬変わったが、
美海はそのことに気が付きもせず店員から買った服を貰っていた。