歪んだ愛情【更新中】
「わーい!信ちゃんありがとう!」
袋を振り回す美海の手を取り、
信吾は袋を預かった。
信吾は何処に行っても美海に荷物を持たせたりはしなかった。
鞄も、買ったものも必ず信吾が持ってくれた。
美海は首を傾げ、
また
信吾の嫌いだった部分を思い出すが
一つも頭に浮かんでこなかった。
自分から信吾の腕に自分の腕を絡め、
歩き出す。
また好きになれる、
また大好きになれる。
そう思いながらデートを楽しんだ。
無邪気にはしゃぐ美海を見て
信吾は嬉しそうに笑った。
信吾にとってこんな美海を見るのは
1年ぶりだった。
素直に喜び、
自分の横で精一杯はしゃぐ。
満面の笑みで笑い、
止まらない話をし続ける。
信吾の中でも
大丈夫、という言葉が浮かんだ。