歪んだ愛情【更新中】


信ちゃん?と大きく丸い目を向けられ、
信吾は我に返った。


「あ、ごめん。おいしい?」

「うん!すごく!」


口元につく生クリームを見て笑う。

人差し指ですくい上げ、そのまま自分の口の中に運んだ。


「あまっ!」

「おいしいじゃん!」


子どもだな、
美海はよく信吾を子どもっぽいというけれど、
自分もだろ!とよく思っていた。


でもそんな美海が愛しくて仕方ない。


たまに冷静で、
毒舌で口が悪い。

観察力がよくて、
人を分析するのが好き。

わがままで、
でもそのわがままは素直な言葉。

落ち着いてたと思えばいきなりはしゃぎ出す。

面倒くさがりで、
でも細かい作業が好き。

意外に繊細で、
小さいことを気にする。

強気で、
意地っ張り。


全部、
美海の全てが好き。


もし誰かが美海の敵に回るなら
信吾は必ず味方になる。

美海が悪くても
必ず信吾は味方になる。


信吾の生活そのものが
もう美海なのだ。



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