歪んだ愛情【更新中】
買い物で疲れたのか
夕飯を食べ終えて美海はすぐにベッドの中にもぐり込んだ。
目を閉じようとする美海の手を
信吾は包むように握った。
「美海が犯罪者になっても俺は美海を悪いとは思わないよ」
「どうしたの?急に」
「今日そう思ったんだ」
「そんな事知ってるよ。前にあたしが果南たちとケンカした時もずっとあたしの味方でいてくれたじゃん。あたしが悪いのに」
信吾はにこりと笑って
美海の頬に唇を寄せた。
「だから俺は今回の事も美海が悪いなんて思わない。全部あいつが悪い」
美海は急いで体を起こし、
全力で否定をした。
「それは違う!千歳だけを責めないで!」
「何であいつを庇うんだよ!まだ好きなのかよ!」
「そうじゃないけど…もう千歳を責めないでよ」
美海の枕に空を切りながら、拳が刺さった。
その早さで頬に一瞬風を感じる。
「その名前呼ぶなよ」
低い声が美海の耳に響く。
「今日、買い物してるときレジの前で考え事してたよね?あれもあいつの事思い出してたの?」
「ち、違う!あれは信ちゃんのこと考えてたんだよ!」
「嘘ばっかり」
「嘘じゃない!」
大声を出す美海の唇が信吾の唇で塞がれる。