歪んだ愛情【更新中】
信吾の体が重なり、
ゆっくりと唇が離された。
首もとにキスをされ、
美海は首を振った。
嫌だ、したくない!
でもその言葉は信吾の怒りを買う。
「なんで?最近で最後にした相手があいつだから?思い出は消したくないの?」
「違う、違うよ…」
ただこの状態のままで体を合わせる事が嫌なだけだった。
でも信吾にその言葉は届かず、
抵抗する手はしっかりと押さえつけられる。
涙を流す美海に対し、
無情にも行為はすでに始まっていた。
重なる肌は冷たく、
動いているはずなのに体温は感じられなかった。
止まらない涙を手で覆い、
美海は顔を隠した。
その時、
美海は自分の中で違和感を感じた。
「信ちゃん!お願い、つけて!ねえっ!」
それでも信吾はやめなかった。
信ちゃん!と何度も叫ぶ声は信吾に届いていないのか、
信吾はまったく無表情だった。
一瞬顔が歪んだと思うと
その瞬間に体は離れた。
何も言わずに服を着始める信吾の横で
美海はただ静かに涙を流した。