歪んだ愛情【更新中】
「唯子ちゃん?」
今日は亮介とデートの日。
2人でショッピングを楽しむはずだった。
歩いている間もずっと黙ったままの浅見を見て、
亮介は浅見の顔の前で手を振りながら問いかけた。
美海の事が気になって浅見は他の事に手が出ない。
部屋の掃除もろくに出来ず、
夏休みのレポートなんてひとつもやっていなかった。
「あ、ごめん」
「美海ちゃんの事心配?」
浅見が深く頷くと亮介は白い歯を見せ笑った。
「明後日から旅行しよって行ってたじゃん?」
浅見と亮介は大阪旅行に2人で行く予定だった。
今日はその準備のために買い物に来ている。
「変更しよう、明日すぐに軽井沢に行こう!俺別荘の場所知ってるし」
「え?知ってるの?」
「去年男4人で泊まりに行ったんだ」
浅見は口を開け、亮介を眺めた。
どうして自分の悩みじゃないのに、
この人は動いてくれるのだろう。
亮介の優しさに甘え、
浅見は軽井沢に行く事にした。
果南とマナも一緒に行ければいいのだが、
あいにく2人はすでに旅行中。
果南は彼氏候補の1人と伊豆へ行き、
マナは大好きな家族と沖縄へ行っている。