歪んだ愛情【更新中】


信吾に行く事を告げようと、
携帯を取り出す亮介の手を止めた。


「言わないで!突然行こう!」


首を傾げる亮介の目を真っ直ぐ直視し、
浅見は念を押す。


「もし言ったら、移動するかもしれない」

「そうかな?」

「何か胸騒ぎがするんだよね」


浅見の真剣な目に亮介はポケットの中に携帯を戻した。


すぐに家に戻り、
明日の支度をした。


「果南ちゃんとマナちゃんに連絡しなくていいの?」と問いかける亮介に
浅見は深く首を縦に振った。

心配して自分たちの旅行をほったらかして
きっと2人も軽井沢に来てしまう。


そういう人たちだ。


浅見は荷物をまとめ、亮介の車に積み込む。


そのまま2人で亮介の家に向かい、
亮介の荷物をまとめた。


そのまま亮介の家に泊まり、
2人は夜を過ごした。


「今日は早く寝な」


優しく浅見の長い髪を触り、
亮介は浅見が眠るまで頭をなで続けた。


最近浅見がろくな睡眠を取っていない事を知っていた。


夜遅くまで携帯を眺め、
美海からの連絡を待っていた。


そのまま夜を明かし、
朝を迎える日々を過ごしていたのを知っている。


だからこそ軽井沢行きを提案した。


亮介にとって何よりも浅見が大事だったから、
これが亮介の守り方。


浅見へ対する愛情への表しかただった。


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